ガチャピン、ゴールを決める。
U−23の若手中心の上、コンディション不良のセルビア・モンテネグロ相手では当然の結果ですな。
それでも、個々のタレントはミロシェビッチ、ラゾビッチ始めアチラの方が上回ってたと思うが、組織的仕掛けが皆無だったので、日本は守りやすかったのではなかったのではなかろうか。それでも、個人技で突破されてヒヤリとした場面はあったが、*1GKテソが冷静に対応。珍しく安心してみてられた。ノアシェランでようやく職場を見つけ、ゲーム勘が戻ってきたのが功を奏したか。
あとは、DFを背負ってのポストができるようになった鱸。をを。つよくなったなあ。
何度も何度も屈強なDF達に削られても削られても平然とプレーする頑丈さは定評どおり。
あとは、プレー中の視野が広くなったのは成長の証。
でないと、決勝点のガチャピン遠藤のゴールは生まれかなかったろうし、当たりまくってたGKイエブリッチ(彼がいなければ何点とれていたであろうか?)にことごとく阻まれゴールこそならなかったが実に決定的な仕事をした。これは、自分の後ろの選手と自分のプレーイメージが一致したからに他ならない。ベルギーで彼にとっては不本意なMFをさせられた経験がモノをいったのだろう。あ、鹿でも期待してます。>鱸
で、ガチャピン遠藤と福西のボランチコンビ。そして、茸中村。
特にガチャピン遠藤が試合中何度も何度もFWを追い越しゴール前に迫るという姿が印象的であった。その分、茸が後方でゲームをコントロール。特に、ミドルレンジのパスを左右に散らすといういわゆる、「トレクァルティスタ」*2より「レジスタ」*3の役を果たしていた。まあ、所属しているレッジーナでもやってるプレーそのものなんだがそれを日本代表でもやっていた。本来、日本代表では斧の仕事である。しかし、斧が五輪でいない上、ナカータがケガでいないので自分を殺し、そういう役を演じたのだろう。結果的にはいい方向に出ていたのは彼にとっては当然不本意ではあるが、やむを得ないところだろう。
その中で生まれたガチャピン遠藤のゴール。敵DFは茸や玉田にひきつけられている間、福西が選択したのは一直線にフルスピードでゴールに向かう遠藤の姿を見てのパス。その姿は当然鱸にも見えており、この3名のイメージがピタリ一致したプレーだった。その上、日本の選手はGKと1対1になってもあわててしまい、ゴールマウスを外しちまったり、GKにパスしちゃったりするものだが、冷静に対応し、ゴールにパスした遠藤はお見事。
あ、玉田を忘れてはいけない。彼もミョーに至近距離のシュートに強いGKイエブリッチに阻まれてなければ1点や2点入っていた。特に前半38分の茸のクロスからの右足ダイレクトシュートはシビレタ。いやあ、潜在能力はいまさらながら高い選手だと思った。今後も精進するように。
さて、最後にアレックス。あんな心理状況*4で戦ってたとは・・・・。
そりゃあ、試合終了後に号泣するさ*5。
でも、やっぱボールコネコネはいい加減やめよう。後ろや横でフォローする味方がいる以上そいつをちったあ頼ろうよ。
さて、こうしてなんとか勝った日本代表。
多分アジア杯もこの形で行くのだろうが、その後、ナカータやデーブ稲本が復帰したときアルトゥール監督はいまのところうまく機能しつつあるこのチームをどのようにするのか。改良ではなく、改悪しないことを切に願う。
*1:もちろんオサレ宮本のあわやオウンゴールのファンタジックなプレーもあったが
*2:司令塔:トップ下。プレーの比重はあくまで攻撃に向けられ、パスで攻撃する選手を操るのはおろか、自らもゴールを狙う。レアルマドリッドのジダンが一番わかりやすいだろう。
*3:演出家:中盤下がり目に位置する。プレーの比重が攻守両面にわたり、ピッチ全体の把握を行い、ゲームを作る。この場合だと、ACミランのピルロ、ボローニャでの中田、フェイエノールトの小野あたりがわかりやすいか。なお、昨日の茸は基本的にはトップ下のはずだが、下がり目の左右中央と自分に集中するマークを振り回すかのようにあらゆる位置にいて主にミドルパスを左右に供給していた。
*4:前日に祖母を亡くしていた
*5:てっきり、ヲレは最後のFKがバーを叩いちゃったのが悔しくて泣いてるのかと思った。