神様はヒットを放ってバットを置いた。

 ファーム勢で固めた虚塵に勝ったっていってもちっとも嬉しくない。
 「神様」こと八木選手がバットを置いたのだ。

 若い頃は「ミスタータイガース候補生」ともてはやされたはいいが、ケガやスランプで結果的にあとからきた後輩に次々に追い越され、今のポストに落ち着いたという経緯があるだけに本心は記者発表とは裏腹に不本意な現役生活じゃなかったかと思う。
 しかし、決して腐らず試合中ずっとベンチ裏でバットを振りつづけ、彼は「神様」となったのだ。
 
 そんな地味で偉大なプレイヤーがいなくなるとさすがに一抹の寂しさを感じる。
 18年間阪神一筋、本当にお疲れ様でした。