そらビックリするわな。

  離陸するまでの間、新聞のスポーツ欄を飾っていたシャラポワの写真をぼんやりと眺める。ふいに奇妙なオーラを感じたので顔を上げると、思いもよらぬ顔がそこにあった。
 小野伸二、である。
 あの小野伸二が、ほとんど新聞のスポーツ欄から抜け出たように、私の目前に立っている――この状況を把握するのに、およそ5秒を要した。

ドバイへ向かう飛行機のビジネスクラスのシートが足りなくて、エコノミークラスに斧以下数名が回ったわけだが、これは至極当然の反応だと思う。ヲレも多分同じ反応をするだろう。