労基局

 ヲレが休んでいる間に職場では2件の重傷事故があり、労基局の立ち入り検査があった。
 事故の原因はいずれも作業者が不慣れな上、監督者も実質監督してなかったということだ。

 不慣れな作業者をいきなり実戦投入せざるを得ない状況にあるというあたりからして異常な事態になっているのだ。

 それはどこのセクションも同じで、毎日大なり小なりいろんな意味での事故が起きている。

 その中での重傷事故。
 そもそもスケジュールが破綻しかけているのだから起きるべくして起きた事故だとヲレは思う。

 オエライさんはそうでもせんとこの戦争には勝てんと言うだろう。それはヲレにも解らんでもない。
 でも、なんか間違ってないか?

 ヲレはここに3年以上居るが、当初に比べ、人は何倍にも増えた。
 そのほとんどが派遣社員であり、いわばいつでも使い捨て出来る兵士どもだ。今回被災された方々もそういう方々なのだ。
 使い捨て故、オエライさんはどうでもいい人間以下の存在として認識してるのじゃないかとヲレは思うのだが、しかし、アンタ等がふんぞり返っていられるのも最前線で戦っている無名の兵士達あってのことであること忘れてないか?
兵士の士気は下がり、兵士は敵前逃亡する。そして新たに新兵が補充される。
 その上からして無茶な戦線拡大をするものだから、組織として機能不全に陥りつつある。
 今、そんな状況じゃないかと。
 そして、近い将来惨敗という二文字が降りかかってくるに違いないとヲレは確信する。

 しーらねーかーらなー。