初詣に行く。

今回”も”実家に帰らず、三重は菰野で正月を迎えた。
 違いは、初詣にお伊勢参りをすることだ。

 そもそもお伊勢参りは前にてんちょが我が家にいらしたときにそういうハナシがあったので、それに便乗した形だ。
 なお、我々夫婦にとっては初の「お伊勢参り」であり、18年連続(だったか?)というベテランのてんちょの存在は非常に心強い。

 2008年はGAORAでプロレスのインディー団体のオールスター戦「プロレスサミット」の生中継において黒田哲弘が「あはっぴーにゅーいやああ!!!」という気合い一閃、雪崩式のネックハンギングバスター(みたいなもの)をマットではなくトップロープに炸裂させたところで迎えた。

 そして0:30過ぎにてんちょがいらしたので、恒例の近所の鎮守様へお参りに行った。
 丁度、鎮守様でお祓いがあったので便乗した。
 ヲレは今年本厄であるので、これはまた幸先よいスタートとなった。

 そんでもって拝殿で頂いた餅を焚き火で焼く。
 

 その後帰宅し、実家から送ってもらった本場モノの薩摩揚げを肴にみやびんから頂いた一昨年物のボジョレーを飲む。

 そんなこんなであっという間に時は過ぎ、既に3時過ぎ。

 6時過ぎの電車で伊勢に向かうため、床に就き、仮眠する。

 寒さで起きたが丁度目覚ましが鳴る直前だったのでそのまま起きる。
 ヨメとてんちょを起こし、オンボロコンデジ1万円号をジャケットのポケットに突っ込み、駅に向かう。

写真はその時駅のホームから四日市方面を撮ったもの。これでコンビナートの煙突から火がでてりゃもっときれいだったろうに・・・・
 

 湯の山線四日市へ。
 四日市から急行電車で伊勢市へ。
 急行に乗った時点でかなり明るくはなってはいたがまだ日の出の時刻ではない。
 初日の出は電車の車中で迎えた。

写真は走行中の電車から初日の出を撮ったもの。
 
 それにしても、湯の山線の2000系はともかくとして、名古屋線の急行に充当されてたのは5200系やLCカーではなくオールロングの2610系。Orz
それに加え、特急の待避や時間調整時で長時間停車中でもドア開けっ放しには非常に参った。
 寒い。実に寒かった。
 四日市でコイツが来た時点で特急券の券売機に走らなかったことを激しく後悔した。

 しかし、その計1時間半の苦行も後で報われることになるのだが、それは後で。

 やがて伊勢市に着き、まずは外宮へ。
 さすがこの時間帯では参拝客は少ないのが嬉しい。
 外宮に入ると、焚き火があったが、あたれば最後、そこから離れられそうにないのでさっさと中に入る。

 外宮内の各社を回り、バスで内宮へ。
 グループ内にいすゞディーラーを持つ”いすゞ車王国”三重交通のバスだが、観光バスにはふそう車や日野車がある。
 乗り込む際ちと心配したが、ステアリングにはIマーク。(ホントは旧い”さざなみマーク”のほうがいいんだけどね)いすゞ車だ。よかった。
  いすゞフリークのヲレがバスとはいえいすゞ車でその名の元になった伊勢神宮に行くというある意味聖地巡礼を元旦にするというのはいすゞ車を降りた今でも特別な物がある。
 内宮まで日野車やふそう車とは違う独特の音をしばし楽しむ。 

内宮に着けば、外宮とは桁違いの人。
 しかしながら、いつか行った明治神宮熱田神宮の様な殺人的な混み方ではない。
 普通に「混んでいる」という程度の混みかただ。
 宇治橋を渡り、五十鈴川でお清めをし、内宮各社を参る。

 写真を撮ろうとするが、持ってきたオンボロコンデジ1万円号が発作を起こし、撮影を拒否する。
 これも神様の思し召しか・・・・

 広い内宮をお参りし、両親に送るお守りを買い、ミッションコンプリート。
 あとはオプショナルツアーに突入する。

 おかげ横丁をうろうろし、てんちょ推薦のコロッケやぬれ煎餅、そして漁師汁を食する。
 実に旨かった。
 揚げたて焼きたてのコロッケやぬれ煎餅、ダシ効きまくりの漁師汁。
 こういう場所だからこそ競争があり、こういう場所だからこそ出来る味を改めて実感した。

 境内以上に横丁は人が多く、祭りの雰囲気いっぱいである。
 加えてやはりてんちょの存在は心強く、ヲレもヨメも人混みに酔うことなく、伊勢神宮を後にすることができた。

 さて、今回近鉄を利用することになったのは
 「ゆめもうで伊勢神宮初詣割引きっぷ」なるもので、要は近鉄版福袋といったものか。

 運賃だけでも半額かそれ以下というのに、小さい陶製縁起物がついて、伊勢市から賢島まで乗り降りフリー。加えてフリー区間内の特急料金がタダになる引換券が2枚ついてなおかつ、沿線の関連施設が割り引きになるというもの。

 これを使わない手はない。

 もちろん賢島まで行くつもりだったが
 しかし、内宮から最寄りの五十鈴川駅まで徒歩で意外と時間がかかり、なおかつ五十鈴川から賢島まで直通する列車はドン行以外ない「ように見えた」。
 そこで鳥羽折り返しを考え、しかし、特急引き替え券がもったいないので、短区間ながら鳥羽までの特急券をゲットすべく引換券をてんちょに託した。
 
 もっとも早く発つ列車までには15分少々あったはずだが、やはりこの時期、普段列車に乗らない人ばかりか列が一向に前進しない。
 トドメはてんちょの前のオヤジがざっと見る限り5分以上一つしかない窓口で粘ったため我々は先発の列車には乗ることができず、その15分後の列車に乗ることになった。
 しかし、物事はどう転ぶか分からない。
 
 わずか3駅程度のために鳥羽行きのACE8連の特急に乗り込んだ我々だが、鳥羽到着寸前の案内放送であることに気が付く。
 「降りたホーム反対側で”賢島行き特急”2分で連絡です。」
 そうだ。近鉄には大まかに分けて2種類特急が存在する。
 名阪ノンストップや京都伊勢特急を始めとする中間の駅はほとんど停まらない”甲特急”と多くの主要駅に停まる”乙特急”の2種類だ。
 そして、五十鈴川には甲特急は通過し、乙特急だけ停車する。
 その乙特急の多くは鳥羽止まり。
 五十鈴川駅の時刻表には賢島直通の特急はほとんど存在しないことを。

 それでも、”ああ、しまった。”という思いはぬぐいされなかったが、しかし、入ってきた列車を一目見て「それ」に飛び乗った。

 「それ」は伊勢志摩ライナー近鉄特急60周年記念ラッピング車。
 これがただのACEやスナックカーだったらそのまま鳥羽で降りて鳥羽水族館でも行っていただろう。

 乗り込んでしまったものの、心配は一つあった。乗り込んだこの列車の特急料金だ。
 とはいうものの特急料金分だけとは言えキセルするのはまっぴらごめんなので通りがかったレチさんを止め、てんちょが「実はこの切符を使って五十鈴川から賢島に行こうとしたんですけど賢島直通の特急が無かったんで・・・」と言うと、レチさんは「いいですよ。どうせ鳥羽から乗る人もいないし」とこの区間の特急料金を徴収しなかった。
 その時には「もうかった!ラッキー!!」と思ったが、よく考えたら、仮に五十鈴川から賢島まで乗り継ぎで2列車分の特急券を購入しても、近鉄の場合「一乗車」という扱いなので、今回のこれは恐らく正規の乗車である。

 ともあれ、実家に帰ってれば雪一色であろうところを晴れの空の下、志摩の車窓を楽しみつつ賢島に着いた。

とりあえず、電池死にかけのオンボロコンデジをたたき起こし撮った。
 
 
 賢島では何か無いかと思ったが、切符というか切符がへばりついてる小冊子に書いてある案内を見ると、
http://www.isesima.com/M-rand.htm
 という所が駅近くにあるので行ってみた。

 入場料を払い、ゲートをくぐれば
「ぼえー」とペンギンたちがお出迎え。

 こんな季節なもんだから余計元気に見える。そして生き生きと泳ぐものあり、やはり直立して「ぼー」としてるものあり。
 ああ、癒される。
 これだけでも入場料を払った価値がある。

 館内に入ると、なかなか魅力的なサカナたちが泳いでいる。
 熱帯魚から、深海魚、河川に住むサカナ、絶滅危惧種・・・・
 極めつけはぬぼーと泳ぐというかただようというか、そんな感じのマンボウ

 マンボウ見るだけで時間がどんどん過ぎて行くような気がした。
 今回の訪問でマンボウとペンギンのところに居る時間が一番長かったような気がする。
 
 多分、鳥羽で下車し鳥羽水族館に行こうものならこんなにゆっくり一つ一つのブースを見ることは出来なかっただろう。
 適度にコンパクトなのが幸いし、我々はサカナ分を十分補給することが出来た。

 やがて時間が来て帰路につく。
 帰りも名古屋行き甲特急に乗る。しかし、甲特急は四日市には停車しないので、津で乗り換える。
 乗り込んだ車両はかつての近鉄の花形、ビスタカー・・・・・の両端の車両。従ってスナックカーと同等の車両である。残念。
 しかし、それでも晴天の空の元再び車窓を楽しむ。
 青空の下、寝不足と歩き回ったおかげで疲れては居るが心地よい疲労感に包まれ志摩の車窓を楽しむ。
 なんて幸せなひとときか。

 そんな約1時間少々の乗車時間のあと、四日市に最も近い甲特急の停車駅、津で乙特急に乗り換える。
 今度は名阪特急の花形、アーバンライナーである。

 わずか20分と少々の乗車時間であるが、名阪間の新幹線含むJRの列車にはない、快適な乗り心地を堪能した。
 
 帰宅したのは17:00近く。
 お伊勢参りを含め11時間の小旅行であった。
 その後しばらくして20:30には床についた。

 この小旅行のきっかけを作ってくれた、そして伊勢神宮のガイドをしてくださったてんちょ、そして、この割引切符の存在を教えてくれたヨメに大感謝。
 久方ぶりの乗り鉄分とサカナ分の補給が出来た。

 実にいい旅だった。
 来年もまたやりたい。