褒めた途端に・・・・

 それは先週の木曜のハナシだ。
 その日は丸一日休み、運転免許の更新と155のオイル交換と通院に充てた。
 運転免許の更新をつつがなく終え、155のオイル交換の作業中、季節柄エアコンを壊し、あるいはエアコンの故障が発覚し、次々と担ぎ込まれるクルマを横目に
 NORDの社長さんと「この155壊れないねえ」「ええ、エアコンがぶっ壊れることはおろか、路上でお不動さんになったことがないですもんねえ」
 とわが155を褒めていたのだが、災難は予告も無しにやってくるものである。

 オイル交換、昼食、そして病院の予約時刻までの調整として書店で立ち読みをして、コンビニで茶を調達し、病院の駐車場に155を停め、155から降り、ドアを閉めた時に「それ」は起きた。

 ”ばちゃん”とドアを閉めた。はずだった。しかし”ばちゃん”という音にいつもは”がちゃん”というドアキャッチャーが作動する音がしない。
 そしてドアはそのままバウンドし、ヲレの許に戻ってきた。

 「ああ、シートベルトが戻らずにドアとボディの間に挟まっ・・・・・・・・・・てないぞ。おい」

 気を取り直し、もう一度”ばちゃん”としたが、やはりドアはその任を拒否するように手許に帰ってきた。
 室内のドアノブを動かしてもキャッチャー側が反応してるような音はしない。
 「こ わ れ や が っ た」

 焦るヲレ。
 しかし、約2年半155とつきあっている経験から学んだことは
 ”困ったらその部位に衝撃を与える。つまりガンダム世界でいうところの「修正」を掛けると一時的にでも症状は治まる”
 ということだった。
 ここは一発「修正」を実行した。
 そしてドアを閉めると
 ”ばちゃん”と”がちゃん”という耳慣れた2つのノイズを同時に発してドアは閉まった。
 だが今度はドアロックが掛からない。
 車内に金目の物がないわが155とはいえ、不安なことは不安である。
 ここは時間がないしカウンセリングと診察の間の30分間でなんとかしようとその場はロックを掛けずに病院に入った。
 
 カウンセリングを終え、症状を見ようとドアを開け、車内からドアを閉めようとしたが、閉まらない。
 今度は「修正」を与えてもダメだった。

 いろいろやってるうちに時間は過ぎ、どうしょうもなくなったので自分の履いている靴から靴ひもを取っ払い、ドアハンドルとサイドブレーキのレバーで結び、風で開いて隣に駐車しているド新車のクラウンにドアが当たらない様処置をし、診察に向かった。

 結局NORDにTELし、応急処置の仕方を聞いて、会計の待ち時間や薬局で調剤している時間を利用しあがいたが、結局ダメでNORDの社長にHELPを要請した。

 30分ほどで社長が到着し、ドアの内張を外してからドアを閉めると閉まる。なんで!?
 おまけにドアロックまで確実にかかるではないか。

 どこか引っかかっただけだな。と組み付けるとドアが閉まらない。
 原因をたどっていくと室内側のドアノブ付近でドアのラッチを操作するワイヤーの心線が露出するところとドアノブの間で折れ曲がってしまい、結果的に開きっぱなしの状態になっていたのだ。
 もう一度ワイヤーの取り回しを取り直してテンション上げれば直るのではないかという見立てだったが、ここではドアの内張を開けてなんとかしようとすると作業スペースが足りないのでドアを閉めるだけ閉めてNORDへ。そこでワイヤーのテンションを上げるべく、各部の取り付けを調整してもらい、その場はそれで帰路についた。
 しかし、我が家につくとドアは閉まれどロックができない。
 注意深く室内ドアノブを引くとミョーに遊びがデカくなっている。
 嫌な予感がしたので、翌金曜日会社へはR2で出かけた。

 そして土曜日、再びワイヤーを調整すべく、室内ドアノブを最初に引いた途端、”ぷちん”という感触とともにいきなり手応えが無くなった。
 室内ドアノブAssyを外してみるとドアノブのリンケージにはちぎれたワイヤーの切れっ端がプラプラとなっていた。Orz

この場合、室内からドアを開けることが出来ない「だけ」なので、NORDにパーツの用意を依頼し、鈴鹿へと向かった。

 NORDに着けば、解体車からはぎ取ったと思しきドアキャッチAssyが既に準備されており、そこからワイヤーを移植すべくメカのN牟田君が作業を開始した。
 しかし、そこはイタリア車である。ただでは終わらない。
 まもなく、我々は驚愕の事実を目の当たりにするのだった。

 我が155についていたワイヤーのドアキャッチ側はドアキャッチAssyにがっちりと金具でカシメて留められていて、そこから切れたワイヤーを
外そうとすると、ドアキャッチAssyを損傷しかねないというリスクの高いものだった。
 なにかの対策で仕様変更されたようだが、いずれにしろAssyごと交換というオオゴトになってしまったOrz

 作業自体の難易度はそれほどでもないのだが、ドアの一番奥に「それ」があるためかなり苦闘していた。
 しかし、苦闘の甲斐ありヲレの155の運転席ドアは完全に復活した。

 費用もディーラー価格にくらべりゃ相当のバーゲン価格にして頂き感謝感激雨あられである。
 車検の際にはまたよろしく。

 しかし、たまに褒めると壊れるってどういう了見だ。
 けなしゃ余計壊れるくせに。

 まだ155とのつきあい方がいまひとつ解ってないヲレだった。