回生失効

 で、2つ目のトヨタ爆弾は現行プリウスのブレーキ欠陥問題。
 現行プリウスのブレーキはフツーのクルマと違い、ブレーキフルード交換すらも専用のダイアグを持ってる工場でしかできないというシロモノである。
 先代まではなんとかそれもできていたようであるが、現行型になってからはシステムがより一層複雑化した結果のようだ。

 さて、今回の欠陥とされている事象、10km/h前後の低速、低μ路や下り坂やゼブラゾーンでいきなりブレーキが効かなくなるということであるが、最初、ABSに乗り慣れてないドライバーの過剰反応、あるいは「世界一運転がヘタな国民」たるアメ公のここぞとばかりのジャパンバッシングかとおもいきや、先代、初代では起こっていないとされる現象である。となると、やはりこれは欠陥なのだろう。

 ここまで低い速度での減速ではタイアがふとしたはずみでロックする可能性は高く、それだけ制御が難しい。
 タイアがロックしかかろうもんなら回生制動は失効し、失われた分の制動力はメカニカルブレーキですぐさま補償せねばいけない。

 先代までのプリウスはまだメカニカルブレーキに制動力の比重があったようで、この速度域で回生失効してもあまり問題なかったようだが、エネルギー回収効率を高めようとして回生制動偏重になっているのか、それとも制御しているECUのプロセッサのスペックをケチって(盗用多ならやりかねん)処理が追いつかないのか、それともただのバグか、どうも制動力の受け渡しが上手くいってないように思えるのだ。

 さて、これって割とポピュラーなシチュエーションで出そうな現象なのだが、各パーツの各セクションでDRは嫌というほどしているはずなのだが、その各セクションのリーダー、そして最終的に盗用多のテスト部隊や品管はナニをもってこれを「OK」としたんだろねえ。
 走らない、動かない、ならまだいいが、一番怖いのが「止まらない」だから1件でも通報があった時点でメーカーに調査を指示するのは当たり前だが、ここに来てなんにもしなかった国交省の担当はナニをしてたんだろね。